おはようございます。
昨日に続き、腸内細菌が食物繊維を発酵させて作り出す短鎖脂肪酸の話です。短鎖脂肪酸とは、酪酸、酢酸、プロピオン酸などの成分です。
短鎖脂肪酸の一つ酪酸には、大腸細胞の異常な増殖を抑えるアポトーシスを促し、大腸細胞の病変を抑えるなどの働きで、大腸がんの発生を抑えています。
アポトーシスとは、細胞が自らの役目を終えたり、不要になったり、不都合な細胞が増殖分裂を始めると、それを止める為に自ら細胞死することです。このシステムに異常が起こると癌細胞のような不都合な細胞の分裂増殖が止まらなくなるのです。プロピオン酸には、肝臓癌細胞の短鎖脂肪酸受容体に作用して、癌細胞の増殖を抑えるという研究報告があるようです。このように短鎖脂肪酸は、癌の抑制、予防にとって重要な働きを持っているのです。
そのほかにも短鎖脂肪酸は、脂肪細胞にある短鎖脂肪酸受容体に作用して、脂肪細胞へのエネルギーの取り込みを抑え、脂肪細胞の肥大化を防ぐので、肥満体質を抑え肥満の防止にも役立ちます。
今日を素敵な一日にして下さい。
代表取締役 大竹野有一